奈良市にある広大な公園「奈良公園」の東に位置する春日大社は、全国にある約3000の春日神社の総本社として位置づけられています。ここは、多くの観光客が訪れる人気のスポットです。
- 春日大社の御祈祷でいただいた「春日大社」という32ページの冊子
- 奈良市の図書館(奈良の歴史などの本が多い)
私の散歩コースにある春日大社について、私が歩いて見つけた情報や気付いたことも紹介しているよ。
春日大社は、古くから神の降臨する山として神聖視されていた春日山・御蓋山(みかさやま)の西麓に建てられ、四柱の神々をまつったものです。藤原氏や朝廷の崇敬を受けて繁栄し、その歴史は古代から現代まで続いています。
また、春日大社と春日山原始林は、ともに世界遺産に指定されています。(古都奈良の文化財)
近鉄奈良駅またはJR奈良駅から、春日大社まで歩いていくコースがおすすめ。距離はありますが、道の途中で休憩しながら楽しめます。
春日大社(かすがたいしゃ)の歴史を簡単にわかりやすく解説
春日大社が創建されるまえの出来事。
- いつ:1300年前、平城京に遷都された和銅3年(710年)
- どこに:春日の御蓋山(みかさやま)の頂上
- なぜ:都を守るため(日本の国の繁栄と国民の幸せを願った)
- 何をした:茨城県鹿島神宮の武甕槌命(たけみかづちのみこと)という神様を祀った
武甕槌命さまが白鹿に乗ってやってきたと伝えられています。
春日大社を建てた人
- いつ:神護景雲2年(768年)11月9日
- どこに:御蓋山の中腹(今の地)
- 指示:称徳天皇
- 建てた人:左大臣藤原永手
- なぜ:平城京を守護し国民の繁栄をお祈りするため
- 何をした:春日大社の本殿が現在の場所に建てられた。武甕槌命(たけみかづちのみこと)様、天児屋根命(あめのこやねのみこと)様と比売神様という尊い神々様をお招きし、お祀りされた。
お祀りされた尊い神々様
- 武甕槌命(たけみかづちのみこと)様
- 天児屋根命(あめのこやねのみこと)様
- 比売神(ひめがみ)様
これが春日大社の始まりです。春日大社は、建立されてから約1250年にわたり、奈良の総鎮守として地域の方々に親しまれてきました。
春日大社と関係のある神社と春日大社が祀る神様
大宮本宮(国宝)にお祀りされています。
神社 | 春日大社が祀る神様 |
---|---|
鹿島神宮(茨城県) | 武甕槌命(たけみかづちのみこと)様 |
香取神宮(千葉県) | 経津主命(ふつぬしのみこと)様 |
枚岡神社(大阪府) | 天児屋根命(あめのこやねのみこと)様 比売神(ひめがみ)様 |
春日大社へのアクセス
春日大社へのアクセス方法は、電車を使う場合は近鉄奈良駅が最も近いです。
徒歩の所要時間・スピリチュアルな雰囲気を感じたい場合
春日大社のスピリチュアルな雰囲気を感じたいのであれば、近鉄奈良駅またはJR奈良駅から徒歩でのアクセスがおすすめです。距離が少しありますが、おすすめです。
最寄駅からバス利用の場合
2つの駅からバス(奈良交通)が出ています。
- 近鉄奈良駅
- JR奈良駅
以下の時刻表の時間:奈良交通の2022年12月17日改正の時刻表
近鉄奈良駅
- 「春日大社本殿」行きのバス:7時台から15時までは1時間に3本、最終は16時3分です。乗り場は「1」です。
- 市内循環バス:「東大寺大仏殿・春日大社前」で降り、春日大社まで10分くらい歩きます。乗り場は「1」です。
JR奈良駅
- 「春日大社本殿」行きのバス:7時台から15時までは1時間に3本です。乗り場は東口2番です。
- 市内循環バス:「東大寺大仏殿・春日大社前」で降り、春日大社まで10分くらい歩きます。市内循環バスは内回りと外回りがあり、どちらに乗っても「東大寺大仏殿・春日大社前」に着きますが、「2」番乗り場の外回りの方が早いです。
春日大社の駐車場
国宝館のすぐ近くに駐車場があります。
この写真は、春日大社のバイク用駐車場です。自動車用駐車場のすぐそばです。
土日祝は混雑しています。時間帯等によっては渋滞で、バスでもなかなか進まないこともあります。
- 開場時間:3月~10月は7時半から17時、11月~2月は7時半から16時
- 駐車料金:乗用車は1,000円、バイク300円、バス3,000円
春日大社の営業時間
以下への参拝でなければ時間外に参道を歩くことは可能。
早朝散歩や遅い時間の散歩でたまに行くよ
- 御本社(大宮)参拝所:3月~10月は6時半から17時半、11月~2月は7時から17時、お守りや御朱印等は9時から閉門まで
- 御本店特別参拝:9時から16時、成人の日など拝観できない日があります。
- 夫婦大国社:9時から16時半
- 御祈祷所:9時から16時
- 国宝殿;10時から17時
- 萬葉植物園:9時から16時半
春日大社の拝観料
- 御本社(大宮)参拝所:不要
- 御本店特別参拝:500円
- 国宝殿:500円(一般)、300円(大学生・高校生)、200円(中学生・小学生)
- 萬葉植物園:500円(大人)、300円(子人)
営業時間およにび拝観料の情報は、春日大社の公式サイトより
春日大社の見どころを簡単に紹介
- 大宮本殿(国宝)
- 若宮本殿(重要文化財)
- 一之鳥居(重要文化)、二之鳥居は本殿近く
- 楼門
- 燈籠
- 砂ずりの藤(春日大社の境内・5月頃開花)
- 若宮十五社めぐり
- 御蓋山
- 春日奥山の原始林
- 鹿
本文中に詳細を紹介します。
春日大社まで徒歩での行き方
おすすめの徒歩コースです。
- 近鉄奈良駅から:約2km
- JR奈良駅から:約3km
- 近鉄奈良駅からの場合は、東向き商店街 → 猿沢池 → 一之鳥居 → 二之鳥居 → 春日大社
- JR奈良駅からの場合は、三条通り → 猿沢池 → 一之鳥居 → 二之鳥居 → 春日大社
どちらのルートも、猿沢池から同じです。
JR奈良駅
JR奈良駅駅の東口に出て、三条通りをからは真っ直ぐなので、迷うことはありません。三条通りは、古都奈良の中心部を通る主要な道路であり、道路沿いには多くの歴史的な建物や景色があります。また、春日大社へ参拝する観光客の玄関口です。
三条通りは歩行者優先につくられていますが、ここは車やバイクの通行が可能。JR奈良駅方面から一方通行です。
近鉄奈良駅
近鉄奈良駅を東口に出て、東向き商店街へ進みます。写真の白い矢印方向です。
商店街をまっすぐ歩き、突き当りを左方向に進むと「猿沢池」が見えます。または、東口を出て大宮通りを歩き、興福寺境内を通り「猿沢池」へ。
猿沢池(さるさわいけ)
猿沢池の早朝の写真です。週末の日中は人が多いですが、早朝は静か。
一之鳥居の手前です。
一之鳥居
春日大社の表玄関「一之鳥居」です。
一之鳥居には、大きな鉄の輪が2個づつついています。
この鉄の輪は、春日祭や若宮おん祭の際、神事の始まりを示すのに大榊(現在はなぎ)を立てられます。
一之鳥居をくぐり、すぐ右手に「影向(ようごう)の松」があります。気にしていないと、通り過ぎるかもしれません。
1995年(平成7年)に枯れたため、大きな切り株です。春日大明神が扇の姿で万歳楽を舞われた場所と伝えられています。
一之鳥居をくぐってすぐの場所です。
さらに歩きます。
春日大社表参道前は、広大な芝生の野原があり、ここを飛火野(とびひの)と呼びます。
萬葉植物園(まんようしょくぶつえん)
- 開園時間:9時から16時半
- 拝観料:500円
2023年は4月下旬に開花していました。
二之鳥居
二之鳥居からまっすぐ進むと南門があり、その間に数本の細い道があります。かつて高畑方面に住んでいた春日大社の神官の通勤路に使われていました。
この道を上から、上の祢宜道(ねぎみち)、中の祢宜道、下の祢宜道と呼びます。
春日大社の初もうでは日中でも混んでいます。祢宜道から春日大社へ歩くコースが好きで、正月もこの道を歩き春日大社をぬけ、東大寺へ向かおうとしました。
二之鳥居方面は、春日大社の参拝客で通行できませんでした。
春日大社境内
春日大社は、御本殿、「若宮十五社めぐり」や「水谷九社めぐり」など見どころがたくさんあります。
御本殿(国宝)
特別参拝で御本殿(大宮本)の近くまで行くことができます。参拝は大人500円です。
御本殿は正面は南に面し、東より
- 武甕槌命(たけみかづちのみこと)様
- 経津主命(ふつぬしのみこと)様
- 天児屋根命(あめのこやねのみこと)様
- 比売神(ひめがみ)様
切妻入りの正面にひさしがつけられ、檜皮葺ひわだぶ)の屋根に覆われています。
写真撮影は禁止のため、春日大社の御祈祷でいただいた冊子より
中門・御廊(重要文化財)
参拝所
参拝所です。
本社のほか、61の摂社・末社が祀られています。
砂ずりの藤
棚造りの藤です。花房が地面の砂に擦れるほど長いことから「砂ずりの藤」という名前になった。
藤の時期は5月頃です。2023年は4月下旬に開花していました。
白い鹿のおみくじ
600円です。口におみくじをくわえています。
大吉でした。
若宮十五社めぐりで運気アップ
夫婦大国社で受付しています。
玉串札を各神社に納め、十五社満願の奉告をします。
納札社 | 神社 | 御神徳 |
---|---|---|
第1番 | 若宮(わかみや) | 正しい知恵 |
第2番 | 三輪(みわ)神社 | 子孫繁栄 |
第3番 | 兵主(ひょうす)神社 | 延命長寿 |
第4番 | 南宮(なんぐう)神社 | 金運 |
第5番 | 広瀬(ひろせ)神社 | 衣食住 |
第6番 | 葛城(かつらぎ)神社 | 心願成就 |
第7番 | 三十八所(さんじゅうはっしょ)神社 | 正しい勇気と力 |
第8番 | 佐良気(さらけ)神社 | 商売繁盛、交渉成立 |
第9番 | 春日明神(かすがみょうじん)遥拝所 | ひらめき |
第10番 | 宗像(むなかた)神社 | 諸芸発達、七福神 |
第11番 | 紀伊(きい)神社 | 万仏の生気 |
第12番 | 伊勢神宮(いせじんぐう)遥拝所 | 天地の恵み |
第13番 | 元春日 枚岡神社(ひらおかじんじゃ)遥拝所 | 延命長寿 |
第14番 | 金龍(きんりゅう)神社 | 開運財運 |
第15番 | 夫婦大国社(めおとだいこくしゃ) | 夫婦円満、良縁、福運守護 |
御本殿周辺
秋は紅葉、4月下旬から5月上旬は、藤が開花して美しいです。
春日大社の石燈籠
春日大社の灯篭は、「お春日さんの万灯篭」として知られています。灯篭の数は3,000基もあり、平安時代以降現在も年々奇進が続いています。
石灯籠は四角や六角、円形と形は様々あります。
土日祝の日中は、たくさんの人がいますが、早朝や夕方は人がすくなくゆっくりとまわれます。
春日大社周辺の見どころ・自然と鹿
春日大社の神の山「御蓋山(みかさやま)」、南へ(左)に春日原始林、高円山。春日原始林は、歩くこともバイクや車で走ることもできます。
御蓋山の北隣(左隣)にある「若草山」は古くは「三笠山」と呼ばれていました。
安倍仲麿の「天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山にいでし月かも」の山は「御蓋山」のこと、と書かれている本がありました。「三笠山」と「御蓋山」だと紛らわしいので、「若草山」に改称されて良かったのだろう。
飛火野(とびひの)
春日大社の長い参道のわきに広がる芝原が「飛火野」です。
毎年6月には、この近くにある「鹿苑(ろくえん)」で、小鹿の赤ちゃんが公開され、7月には奈良公園デビューします。
小鹿は5月頃にたくさん生まれますが、この時期以外にも小鹿は生まれていて、奈良公園でみかけることがあります。
2022年11月早朝の写真です。
季節によって景色が変わり、カメラを持った人たちがよく訪れる場所です。
荒池園地・浮見堂(うきみどう)
鷺池(さぎいけ)別名蓬莱池(ほうらいいけ)の中に建っている休憩所が「浮見堂」です。
鷺池の水質悪化により、2022年月に水抜きしていて、水がない時期がありました。2023年1月もまた水がありません。
早朝の鷺池です。
ボート遊びもできる池です。
まとめ・春日大社はみどころたくさん
春日大社だけのことではないですが、事前に訪れる場所について何の情報もないと、見逃してしまう見どころや魅力があるかもしれません。
- 大宮本殿(国宝)
- 若宮本殿(重要文化財)
- 一之鳥居 → よくみると鉄の輪がある
- 楼門 → 春日大社最大の楼門は南門
- 燈籠 → 3,000基もある
- 砂ずりの藤 → 春日大社の境内・5月頃開花
- 若宮十五社めぐり → 運気アップ
- 御蓋山 → 中腹に春日大社が鎮座している
- 春日奥山の原始林 → バイクや車で走れる、歩くこともできる
- 鹿 → 春日大社にはたくさんの鹿がいる
春日大社に訪れる際には、その歴史や見どころについて事前に調べておくと、訪れた時の感動や興味も何倍にも深まることでしょう。